てんちょーの技術日誌

自分がつまづいたこととかメモ

【UE4】ビヘイビアツリーでちょっといいAIMoveToもどきを作ってみた

はじめに

ぷちコンで作ったもろもろ紹介編です

元記事

shop-0761.hatenablog.com

すでにあるAIMoveToはなんか使いにくくありませんか…

移動にかかる時間がわからないし、障害物に引っかかってもなかなか中断できないしでやや困り者です。 さらに言うなら、トロンのように空中を動き回るものには使えなかった気がします。(ただこちらはPluginがあるみたいです 

forums.unrealengine.com

なら自分で作っちゃえってことで作りました

まあ無理やりな感じなのでバッドノウハウな気がします…

作ったもの

ビヘイビアツリーではTimeLineノードが使えません。なので、使いたい場合は別のBPのイベントを呼んで、そちらで実装する必要があります。

Task側はこんなイメージです(画像はBossの攻撃分岐ですが…

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これBindは1回すればいいみたいなのでこう書き換えたほうが処理的にはいいかもしれませんね(分岐の上だけ書き換えてみた

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流れとしては、

  1. Event Receive Execute AI
  2. OwnerController/ControlledPawnをcast
  3. EventDispactherとbind
  4. castした変数からイベントを呼ぶ
  5. そのイベントが終わった時にEventDispactherをCallする

って感じです。ここでは4までやってます。よくあるイベントディスパッチャと同じです。

で、ビヘイビアツリーのタスクはFinish Executeを呼ばないかぎり、そのタスクが実行中になります。

それを逆手?に取ってbindしたものが呼ばれるまで他のBPのイベントの処理待ちが出来ます。

なので中断するときも同様に実装してあげれば好きなタイミングで中断させられますね。

中断はこんな感じで使ってました。

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で、あとは呼び出した先で自由に処理すればいいわけです。

実装例

トロン

トロンの移動はこうなってます。

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最後にEventDispactherをCallしてます。

そしてちょっと注意が必要なのがTimeLineノードでのlerpノードに使うalpha値です。ただの0から1の直線にすると変化が急すぎたりします。(特にLocationのほう)

なのでトロンの場合は最後にギュッとあげるよう調整してますが、動画にある通りなめらかに動いてくれてます。

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トロンの場合は空中移動なので、歩くなどのモーションが絡んでこないため楽ですがボスのように走り回る場合は調整が大変でした。

ボス

1つのアニメーションのplayRateを書き換えることで走る速さを距離によってCurveを使って変えてました。

そのCurveはこんな感じです。縦軸がPlayRateで、横軸が目的の位置までの距離です。

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移動可能な最小距離を400にしてたので微妙な位置からはじまってますね…

(デバッグ中に距離とPlayRateを出して早すぎたり遅すぎたりしたら点を追加して…みたいにつくりました)

こればっかりは自分で見て納得がいくまで調整が必要なので、歩いたり走ったりするモーションが含まれるものの調整は大変です…

メリット・デメリット

この方法のいいところはTimeLineで調整するため、LengthやPlayRateを自分で調整できて、かつ中断するのも容易です。AIMoveToでは目的地につくまでゴリゴリ進んだりすることが多いので…

そして、NavMeshBoundsVolumeが要りません。設定し忘れでハマることも減りそうです。SetActorLocationのSweepにチェックをつければ、壁にぶつかってすり抜けなくなったり、逆にすり抜けさせることも出来るかと思います。

悪いところとしては、AIController/ControlledPawnのBPに処理を書くことが多いのでビヘイビアツリーが形骸化してるようにも思います…(そしてBPが重くなる

さらに現在地のZ値と目的地のZ値が異なると、キャラクターが傾いたりするのでちょっと注意が必要です。

良くも悪くも調整するところがたくさんありますが、今回の方法のほうがTimeLineノードのようにタスクで使えないノードもあったりするので凝った処理をするなら いろいろ都合がいいのかなと思いました。

質問などがあれば@shop_0761までお願いしますー